よくわかる補綴歯科講座(第2回)

 
よくわかる補綴歯科講座
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第2回
入れ歯(義歯:ぎし)を清掃しないと…?!
   毎日の生活に欠かせない入れ歯(義歯).食べることや,話すことを助けるのが主な仕事です.食事をした後の歯磨きは常識ですが,入れ歯(義歯)をいれている場合はどうなのでしょうか.入れ歯(義歯)をいれたまま磨くのでしょうか.清掃しなくてもよいのでしょうか.清掃しないとどうなるのでしょうか.
1.   プラーク(歯垢)が溜まります.
2.   口臭が発生します.
3.  口粘膜に炎症が起こります.
4.  これらの結果,
虫歯(齲蝕)や歯周病やカンジダ症(図1)を
引き起こします.
図1
以下の方法を併用しましょう.入れ歯(義歯)洗浄剤だけでは,不十分です.
<機械的清掃>
1.  入れ歯(義歯)を口腔外に取り外します.
2.  流水下でブラシ等を使い汚れを落とします.
入れ歯(義歯)専用のブラシもあります(図2).
3.  入れ歯を落としても壊れないように,洗面器や
ボウルなどの容器に水をはっておきましょう
(図3).
4.  歯磨き粉は研磨剤が入っているものがあるので
使わないようにしましょう
(入れ歯(義歯)が磨り減ってしまいます).
入れ歯(義歯)専用の磨き粉もあります(図4).


図2
図3
図4
<化学的清掃>
1.   機械的清掃の後に、義歯洗浄剤を使いましょう(図5).毎日使う方が衛生的ですが,
1週間に1~2回程度でもOKです.
2.   一般的にはぬるま湯(約40℃)の使用が
効果的ですが,使用説明書に従いましょう.
3.  超音波洗浄器を併用すると効果的です.
熱湯や漂白剤は使用しないようにしましょう.
4  義歯洗浄剤の中に夜一晩つけておいても
大丈夫です(図6).
口腔内に入れる時は,流水でよく洗浄しましょう.
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図5
図6