むし歯が神経まで達した場合には、神経をとって薬でしっかり治療します(写真2)。神経の治療をした歯(レントゲン写真・写真3)のむし歯になった歯冠の部分を削り取り、金属やプラスチックの土台を付け(写真4)、形を整えてから、次に印象材という歯の型を取る材料を使い、型どりをします(写真5)。この型をもとに削った歯と同じ形の模型を作ります(写真6)。その上でセラミックス(陶器)やプラスチック、金属を用いて冠を作ります(写真7)。この冠を金属の土台にセメント(接着剤)で付けます(写真8)。
むし歯や歯周病の進行状態によっては、ブリッジができない場合もあり、その場合には取り外しのできる入れ歯などを製作することがあります。治療方法については、担当の歯科医師とよくご相談して下さい。
部分入れ歯はどうしても異物感があって馴染めないとか、入れ歯は嫌だといわれる方にはインプラントを選択することも可能です(インプラントの項をみて下さい)。
保険外適用では金属の種類(金合金、特殊合金、チタン合金など)や歯の欠損数、また各診療所によっても費用は多少異なります。必ず、事前に説明を聞いて下さい
●入れ歯は、寝るときにははずすようにしましょう。ただし、かみ合わせの状況によっては、夜間も入れ歯が必要な場合もあるので、担当医の指示に従って下さい。はずした入れ歯は、コップやプラスチック容器などに入れ歯洗浄剤を入れて、その中に保存して下さい。
歯のない部分にインプラントを埋め込んだところのレントゲン写真(写真11)と、その上に冠をとりつけたところです(写真12)。見た目も自分の歯と同じように見えます。
※インプラントはむし歯にはなりませんが、歯周病と同じような状態になることがあり、クラウンや入れ歯と同じように定期的な歯科医師によるチェックが必要です。なお、この治療はどの歯科医院でも行っているわけではありませんので、かかりつけの歯科医師とよくご相談下さい。
顎義歯は通常の入れ歯(義歯)よりも大きく、また口の形態が不整形のため、顎義歯の維持・安定は難しいことが多いです。維持・安定の向上のために、最近ではインプラントが用いられることがあります。
ところで、機能回復のためにはこれら顎義歯を作製し装着するだけでなく、積極的な機能訓練(リハビリテーション)が必要です。とくに舌やのどの奥(軟口蓋)に運動障害が遺る場合、いろいろな補助装置や訓練装置を用いて(写真1-5)、専門的訓練を行うことがあります。
また、顎義歯と同様、顔面に残った傷を人工的に補うこともできます。部分的なお面のような装置で、エピテーゼといいます(写真13)。主要な材料はシリコーン樹脂です。エピテーゼの固定はとても難しいため、最近では固定にインプラントが応用されることがあります。