日本補綴歯科学会が主導している臨床研究

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日本補綴歯科学会が主導している臨床研究

日本補綴歯科学会は以下の臨床研究を進めております.


歯や咬合支持が高齢者の健康に及ぼす影響に関する多施設参加型大規模疫学研究
研究代表者: 東北大学大学院歯学研究科 教授 佐々木啓一
研究分担者: 東北大学大学院歯学研究科 准教授 服部佳功
大阪大学・大学院歯学研究科 講師 池邉一典
研究期間: 2013年1月~12月末まで
倫理委員会を通過した施設とその番号: 東北大学大学院歯学研究科 第14-4号
大阪大学大学院歯学研究科 H22-E9
研究種別: 観察研究
概要: 本研究の目的は、高齢者の歯や咬合の状態が健康状態に及ぼす影響を、要介護リスクに即して検討することである。要介護への移行原因は脳血管疾患、認知症、高齢による衰弱、リウマチなどの関節疾患、骨折・転倒の順で、いずれも10%以上を占める(平成22年、厚生労働省、国民生活基礎調査の概況)。本研究では、歯や咬合がこれら要介護原因に及ぼす影響を、地域一般住民を対象とした前向きコホート研究により明らかにする。
参加機関名: 東北大学大学院歯学研究科 口腔機能形態学講座
加齢歯科学分野

大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能再建学講座 
歯科補綴学第二教室
研究対象者: 東北大学内の5部局12分野と東北文化学園大学は、行政や地域の職能等団体と共同で、2003年と2004年に、仙台市宮城野区鶴ケ谷地区在住の70歳以上高齢者を対象に、要介護状態発生の危険因子に関する総合機能評価を実施し、体重、問診、食事調査、血圧、血液検査、家庭血圧、運動機能、うつ状態、認知機能などととともに口腔保健状況を調査した。本研究のコホートはその参加者、約1000名である。その後は生存死亡、要介護発生、要介護発生、医療費等が追跡調査され、高齢者の特徴に関する種々の断面研究が行われたほか、要介護発生をエンドポイントとした種々のコホート研究が遂行中である。

大阪大学が用いるコホートは、人間科学研究科、医学系研究科、歯学研究科、東京都健康長寿医療センター研究所、慶応大医学部などが共同で、2010年に兵庫県と東京都の69~71歳の住民に対して実施した総合機能評価の参加者、約1,000名であり、認知機能検査や運動機能検査を行い、2013年に追跡調査を予定している。
研究成果の発表計画: 日本歯科医学会誌に研究成果を投稿予定
(論文)
大井孝, 菊池雅彦, 玉澤佳純, 服部佳功, 坪井明人,
高津匡樹, 佐藤智昭, 岩松正明, 伊藤進太郎,
小牧健一朗, 山口哲史, 寶沢篤, 辻一郎, 渡邉誠.
都市部住宅地域における在宅高齢者の口腔状態: 鶴ヶ谷プロジェクト. 東北大学歯学雑誌, 24: 16~23, 2005.

大井孝, 栗本鮎美, 板橋志保, 三好慶忠, 水戸祐子,
水尻大希, 服部佳功, 伊藤理恵, 鈴木和広, 細川彩,
平野幹雄, 大久保孝義, 細川徹, 粟田主一, 今井潤, 渡辺誠.
中高齢者の抑うつに関わる歯科的要因: 大迫研究. 老年歯科医学, 23(3): 308~318, 2008.

Takashi Ohi, Motoyuki Sai, Masahiko Kikuchi, Yoshinori Hattori, Akito Tsuboi, Atsushi Hozawa, Kaori Ohmori-Matsuda, Ichiro Tsuji, Makoto Watanabe. Determinants of the utilization of dental services in a community-dwelling elderly Japanese population. The Tohoku Journal of Experimental Medicine, 218(3): 241~249, 2009.

西村一将, 大井孝, 高津匡樹, 服部佳功, 坪井明人,
菊池雅彦, 大森芳, 寳澤篤, 辻一郎, 渡邉誠.
地域高齢者の20歯以上保有と軽度認知機能障害の関連: 1年の前向きコホート研究. 日本補綴歯科学会誌, 3(2): 126~134, 2011.
(学会発表)
高津匡樹, 菊池雅彦, 玉澤佳純, 服部佳功, 坪井明人,
佐藤智昭, 岩松正明, 小牧健一朗, 伊藤進太郎,
土谷昌広, 舩山恭子, 大井孝, 秋葉陽介, 寶沢篤,
辻一郎, 渡辺誠.
在宅高齢者の口腔健康状態と咀嚼能力に関する調査研究, 第110回日本補綴歯科学会, 2003.

水戸祐子, 高津匡樹, 菊池雅彦, 玉澤佳純, 服部佳功,
坪井明人, 佐藤智昭, 岩松正明, 小牧健一朗, 伊藤進太郎,
土谷昌広, 舩山恭子, 大井孝, 秋葉陽介, 寶沢篤, 辻一郎,
渡辺誠.
高齢者の口腔状況と栄養摂取量との関連. 第111回日本補綴歯科学会学術大会, 2004.

高橋志保, 土谷昌広, 小牧健一朗, 伊藤進太郎,
岩松正明, 高津匡樹, 佐藤智昭, 坪井明人, 服部佳功,
菊池雅彦, 渡辺誠. 地
域高齢者における飲酒状況と口腔内状態との関連. 第14回日本老年歯科医学会学術大会, 2004.

高橋志保, 水戸祐子, 高津匡樹, 菊池雅彦, 服部佳功, 坪井明人,
佐藤智昭, 岩松正明, 小牧健一朗, 伊藤進太郎, 玉澤佳純, 渡辺誠,
大森芳, 辻一郎.
地域高齢者における食品摂取状況と口腔状態の関連. 第16回日本老年歯科医学会学術大会, 2005

Takashi Ohi, Motoyki Sai, Masaki Takatsu, Masahiko Kikuchi, Yoshinori Hattori, Akito Tsuboi, Yoshinori Tamazawa, Chiaki Satoh, Masaaki Iwamatsu, Shintaro Itoh, Kenichiro Komaki, Satoshi Yamaguchi, A Hozawa, Ichiro Tsuji, Makoto Watanabe. Factors influencing utilization of dental services in an elderly population. 84th General Session of the International Association for Dental Research, 30 June 2006, Brisbane Convention & Exhibition Centre Exhibit Hall 1, Brisbane, Australia.

大井孝, 服部佳功, 坪井明人, 佐藤智昭, 伊藤進太郎, 小牧健一朗,
土谷昌広, 山口哲史, 水戸祐子, 菊池雅彦, 辻一郎, 渡邉誠.
咬合支持・咬合力と転倒骨折発生との関連. 日本補綴歯科学会第117回学術大会, 2008.

大井孝, 西村一将, 高津匡樹, 服部佳功, 坪井明人, 大森芳,
寶澤篤, 辻一郎, 渡邉誠.
地域高齢者における20歯以上の保有と認知機能低下との関連: 1年間の前向きコホート研究. 日本補綴歯科学会平成21年度東北・北海道支部学術大会, 2009.

Takashi Ohi, Y. Miyoshi, Shiho Itabashi, Takahisa Murakami, Yoshinori Hattori, Akito Tsuboi, T. Ohkubo, Y. Imai, Makoto Watanabe. Association between periodontal disease and silent cerebrovascular lesions. 88th General Session & Exhibition of the IADR, 17 July 2010, Exhibit Hall (CCIB), Barcelona, Spain.

Takahisa Murakami, Takashi Ohi, Shiho Itabashi, Y. Miyoshi, Yoshinori Hattori, Akito Tsuboi, T. Ohkubo, Y. Imai, Makoto Watanabe. Relationship between metabolic risk factors and periodontitis: Gender-based differences. 88th General Session & Exhibition of the IADR, 15 July 2010, Exhibit Hall (CCIB), Barcelona, Spain.



小宮山貴将, 大井孝, 三好慶忠, 坪井明人, 服部佳功,
辻一郎, 渡邊誠.
地域高齢者における、かかりつけ医の不在と要介護認定に関するコホート研究, ―鶴ケ谷プロジェクト―, 日本老年歯科医学会第23回学術大会, 2013.

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岡田匡史, 池邉一典, 香川良介, 武下肇, 猪俣千里,
多田紗弥夏, 魚田真弘,三原佑介,権藤恭之,神出計,
高橋龍太郎,増井幸恵,新井康通,前田芳信
栄養摂取を介した咬合力と運動機能との相互関係について
日本老年歯科医学会 2013/6/5

高齢者における口腔機能と認知機能低下の関係-SONIC studyより-

武下 肇, 池邉一典, 香川良介, 岡田匡史, 猪俣千里,
多田紗弥夏,魚田真弘,三原佑介,権藤恭之,神出計,
高橋龍太郎,増井幸恵,新井康通,前田芳信
日本老年歯科医学会 2013/6/5
データの記録場所: 東北大学医学系研究科 公衆衛生学分野

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高齢者の栄養障害に義歯装着がもたらす効果と高齢義歯装着者への摂食・栄養指導のガイドラインに関するプロジェクト研究
 
研究代表者: 古谷野 潔
研究分担者: 志賀 博、村田比呂司、越野 寿、近藤尚知、
佐々木啓一、 大川周治、川良美佐雄、櫻井 薫、
水口俊介、菊谷 武、 大久保力廣、渋谷友美、
田中順子、西 恭宏、赤川安正、 吉田光由、
松香芳三、鱒見進一
研究期間: 2013年4月~2014年3月末まで
倫理委員会を通過した施設とその番号: 長崎大学(修正申請中:長崎大学病院12052816)
日本歯科大学(NDU-T2013-14)
研究種別: 観察研究
概要: 高齢者の低栄養状態は認知症や転倒等を導き、高齢者の寝たきりの原因にもなる可能性が示唆されており、摂食による栄養摂取は義歯の装着状況に密接に関係していると考えられる。さらに義歯の使用状況は口腔内の状態のみならず、患者の順応性や身体機能および精神機能にも影響されると推察される。本研究では高齢者の栄養状態と義歯の装着状況との関係について、文献的調査ならびに多施設にわたる調査を行うことを目的とする。
参加機関名: 九州大学、日本歯科大学生命歯学部、長崎大学、
北海道医療大学、岩手医科大学、東北大学、
明海大学、日本大学松戸歯学部、東京歯科大学、
東京医科歯科大学、日本歯科大学附属病院、
鶴見大学、大阪歯科大学、鹿児島大学、広島大学、
徳島大学、九州歯科大学
研究対象者: 65才以上の高齢者
研究成果の発表計画: 日歯医学会誌
データの記録場所: 各参加機関

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歯科用金属による金属アレルギーの臨床病態と補綴学的対応に関する多施設調査
研究代表者: 市川哲雄(徳島大学)
研究分担者: 横山敦郎(北海道大学),飯田俊二(北海道大学),
舞田 健夫(北海道医療大学),大平 千之(岩手医科大学),
近藤 尚知(岩手医科大学),志賀 博(日本歯科大学),
小池麻里(日本歯科大学),大久保 力廣(鶴見大学),
魚島勝美(新潟大学),秋葉 陽介(新潟大学),
峯 篤史(大阪大学),田中昌博(大阪歯科大学),
鳥井 克典(大阪歯科大学),高 永和(高歯科医院),
服部 正巳(愛知学院大学),松香 芳三(徳島大学),
細木真紀(徳島大学),田上直美(長崎大学),
渡邉 恵(徳島大学)
研究期間: 2013年1月~12月末まで
倫理委員会を通過した施設とその番号: 日本歯科大学 NDU-T2013-13
徳島大学病院 1733
長崎大学病院 13070835
研究種別: 観察研究
概要: 歯科用金属に起因する金属アレルギーは近年増加傾向にあり,歯科的な対応が急がれている.しかしながらその発症機序は未だ解明されておらず,金属アレルギーの診断と歯科的対応を図る上で,発症メカニズムを追求する基礎研究と併せて,本症に関するさらなる臨床知見の集積が必要である.
本研究では,歯科用金属による金属アレルギー症例で起こり得る局所的,全身的反応について多施設臨床研究を行い,どのような頻度で,どのような症状が発現するのかを検証することを目的とする.
歯科用金属アレルギーの疑い,あるいは歯科用金属アレルギーと診断され,本研究に参加する歯科診療所もしくは病院歯科を受診した患者の主治医を対象にアンケート調査を実施する.未診断の患者についてはパッチテストを施行し,アレルゲンと考えられる金属を同定する.また,アレルゲンと疑われる口腔内金属の除去・置換による効果についてもデータ収集を行う.データの収集は,研究代表者が実施するアンケート調査に研究等責任者が回答する形で行う.研究代表者は,これら調査データベースの構築を行い,統計学的解析を施行し,臨床知見を集積する.
参加機関名: 北海道大学,北海道医療大学,岩手医科大学,日本歯科大学,
鶴見大学, 新潟大学,大阪大学,大阪歯科大学,高歯科医院,
愛知学院大学, 徳島大学,長崎大学
研究対象者: 歯科用金属アレルギーの疑い,あるいは歯科用金属アレルギーと診断され,研究参加機関を受診した患者の主治医で日本補綴歯科学会に所属する者
研究成果の発表計画: 2014年4月までに報告書をまとめ,同年9月に研究成果を公表する予定である.
データの記録場所: 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔顎顔面補綴学分野

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