補綴歯科なんでも質問箱

 
補綴歯科なんでも質問箱
 
さし歯編
・前歯は保険で治せますか?
・保険診療と保険外診療ではどこがちがうのですか(さし歯編)?

ブリッジ編
・なぜ,歯が抜けたらそのままではいけないのですか?

部分入れ歯編
・なぜ,歯が抜けたらそのままではいけないのですか?
・保険診療と保険外診療ではどこがちがうのですか(部分入れ歯編)?→部分入れ歯のページへ
・磁石を使った入れ歯とは?
・入れ歯安定剤を使っても良いのですか?
・入れ歯洗浄剤は毎日つかうのですか?→総入れ歯のページへ
・入れ歯は入れたまま寝てはいけないのですか?→総入れ歯のページへ
・入れ歯は何年くらいで作り替えたほうが良いですか?

総入れ歯編
・保険診療と保険外診療ではどこがちがうのですか(総入れ歯編)?→総入れ歯のページへ
・入れ歯安定剤を使っても良いのですか?
・入れ歯洗浄剤は毎日つかうのですか?→総入れ歯のページへ
・入れ歯は入れたまま寝てはいけないのですか?→総入れ歯のページへ
・入れ歯は何年くらいで作り替えたほうが良いですか? 

インプラント編
・インプラントが可能な年齢範囲は?
・インプラントの長点・短所を教えてください.
・インプラントの治療には時間がかかると聞きましたが、最近、その日に噛めるインプラントという広告も見かけます。治療期間について本当のことを教えて下さい。
・インプラントはどれくらいもつのですか?

ホワイトニング編
・歯を白くするにはどうすれば良いですか?→ホワイトニングのページへ
・ラミネートて何ですか?

金属アレルギー編
・金属アレルギーですが治療法はありますか?
・長年"掌蹠膿庖症(しょうせきのうほうしょう)"で悩んでいます.

その他
・認定医・指導医って何ですか?→専門医のページへ
・保険診療と保険外診療ではどこがちがうのですか(さし歯編)?
・保険診療と保険外診療ではどこがちがうのですか(部分入れ歯編)?→部分入れ歯のページへ
・保険診療と保険外診療ではどこがちがうのですか(総入れ歯編)?→総入れ歯のページへ

みなさまからの質問編
・咀嚼能力検査法を受けられる歯科医院は?
・アタッチメントを使用した部分入れ歯,歯の移植は保険適応ですか?
・強度と審美性をかねそなえたセラミッククラウンは何?
・歯周病で前歯を1本抜きました.治療方法は?
・左右別々に義歯を入れることはできないの?新材料の保険外適用義歯をするかどうか迷っています.
・装着2週間の硬質レジン冠がグミキャンディーを食べている時に砕けた!
・下前歯にグラグラの乳歯がある36歳.治療法は?
・左上奥歯2本と右上奥歯が1本ない場合の保険外治療法で迷っています.
・舌癌摘出後の舌接触補助床に関しての問い合わせ
・留学先で前歯を抜歯した.その後の治療は?
・専門医のいる歯科医院を教えて
・前歯が変色した.陶器の歯をすすめられたけど・・・
・前歯の治療法について質問

質問  前歯は保険で治せますか?
保険診療と保険外診療ではどこがちがうのですか(さし歯編)?
答え 保険でさし歯を作るときには使用する材料に制限があります.
その制限は奥歯と前歯といった部位によっても異なります.

保険でさし歯を作る場合,糸切り歯よりも奥の歯では、通常、金銀パラジウム合金を使用した金属の冠になります.
また,糸切り歯から前の歯では表から見える範囲を硬いプラスチック(硬質レジン)で白く(前装)した金属冠である硬質レジン前装冠にすることができます.使用する金属は奥歯の金属冠と同様の金属です.白く硬いプラスチックだけで作るレジンジャケット冠も可能ですが、強度に不安があります.

一方,保険外診療の場合は材料の制限などがありません.
全部がセラミックでできたポーセレンジャケット冠,表から見える範囲をセラミックで作る陶材焼付け金属冠(メタルボンド冠),新しい素材の強化型コンポジットレジン(ハイブリッドレジン)を使った冠などは前歯でも奥歯でも使用できてたいへん審美的ですが,保険が適用されませんので保険外診療となります.
また全部金属でできた冠でも金合金や白金加金などの貴金属合金を用いたものやチタン合金を用いたものなどは保険が適用されず保険外診療となります.

さし歯に限らず保険でひととおりの歯の治療は可能ですが,よりきれいに,より丈夫に,より生体親和性を高く,より快適に,といった付加価値をつけたものが保険外診療であるといえます.
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質問  なぜ,歯が抜けたらそのままではいけないのですか。
答え 歯が抜けた場合,周りの歯は見た目には何も変化がないように見えます。しかし,歯が抜けた直後から歯肉が痩せていきます。
長い間,歯が抜けたまま放置しておくと,今まで支えになっていた歯を失ってしまったことにより,隣の歯が空いたスペースに倒れこんできたり,かみ合っていた反対側の歯が伸びてきたりします。これらの結果,歯並びが変化すると,歯と歯の間にできた隙間や,歯がなくなった部分の歯肉には食べかすが溜まりやすくなり,周りの歯の虫歯や歯周病を惹き起こすことになります。
さらに,1本でも歯を失うと,同じ食事をしても他の歯にかかる負担は大きくなり,次の歯の喪失につながりかねません。また食事の効率も悪くなるので,噛みやすい位置を探そうとして,それまでの顎の動きとは違う動き方になってしまうこともあります。これがひどくなると,顎の負担が大きくなり,顎関節症と呼ばれる顎の病気にもつながる可能性があります。
以上のような理由から,歯が抜けた場合にはそのまま放置しないで,人工物(補綴装置)で修復することがおこなわれています。各個人の口腔内状態は異なりますので,早めに歯科医に相談されることをお勧めします。
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質問  金属アレルギーですが治療法はありますか。
答え  金属アレルギーの治療の第一歩は,どの金属に対してアレルギーを示すのか確かめることです。確かめる方法としては,いくつかありますが,パッチテストが良く用いられます。パッチテストは,各種金属の試料を腕または背中に貼り付けて,その部位の皮膚の反応から,アレルギーの有無を判定するものです。痛みなどを伴いませんが,テスト中はお風呂に入れませんので,汗をかく夏は正しい判定が困難な事があります。
アレルギーを起こす金属がわかったならば,口の中の金属修復物にその金属が含まれているかどうかを調べます。対象となる口の中の金属の表面を研磨する程度で十分調べることができます。当然ながら,痛みなどありません。
口の中の修復物にアレルギーを引き起こす金属があれば,まず,その金属を除去します。しかし,除去してすぐに症状が消えることばかりではありません。完全に症状が消えるまでには期間がかかる場合もあります。
アレルギーを引き起こす金属を除去した欠損部は,最終的には人工物で補うことになります。欠損部によっては,噛みあわせの力が強く,金属での修復が望ましい場合があります。その場合には,パッチテストなどで安全が確認された金属を用いたり,アレルギーの原因となりにくい金属(チタンなど)で修復します。また,セラミックスや硬質レジンで修復を行うこともあります。ただし保険の金属が使用できない場合には,保険外診療になってしまいます.
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質問  磁石を使った入れ歯とは
答え 歯科用磁性アタッチメントは,磁石の吸引力で入れ歯を維持・固定する新しい装置です.
日本で1992年に初めて発売されて以来,すでに80万人以上の人々に愛用されています.
従来のばね(クラスプ)などの固定装置と比較すると以下の利点があります.
(1) 残っている歯に負担がかかりにくく,歯にやさしい
(2) 長期間使用しても維持力が低下しない
(3) 取り扱いが簡単で,お年寄りや体の不自由な方にも適している.
磁性アタッチメントは,磁石を内蔵した磁石構造体と,磁性ステンレス製の吸着板(キーパー)とからなります.義歯内に磁石構造体を埋込み,歯根上面にキーパーを接着します(根面板).磁石構造体とキーパーの磁気的吸引力で義歯を安定に維持します.
ただしこの装置は,歯根がないと使えません.
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質問  インプラントが可能な年齢範囲は?
答え 顎の骨が完成する二十歳前後から行なうことができます。外国のデータでは、高齢者でも成功率に差はないようですが、我が国にはまだ、そのような研究結果がなく、はっきりとは言えません。万が一寝たきりや介護の状態になったときのことも考えて、主治医と相談されるとよいでしょう。年齢制限はありませんが、観血治療(出血する治療・歯科麻酔や外科処置)に耐えられることが条件です。
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質問  インプラントの長所・短所は?
答え 長所
顎の骨に固定する治療法なので、天然(自分の)歯と同じような感覚で噛むことができます。
まわりの歯を削る必要がありません。
入れ歯にした場合に必要な留め金や余分な構造物がないため、見た目が天然(自分の)歯に近く、入れ歯を入れた時に感じる「しゃべりにくい」といったことがありません。
失った歯の部分の顎(あご)の骨が痩(や)せるのを防ぎます。

短所
インプラントを顎の骨に埋め込む手術が必要です。そのため、体にいろいろな病気がある場合には治療できないことがあります。
インプラントを長い間使うためには、十分な口腔衛生の管理と定期的な検診が必要です。
インプラントは保険がききません。したがって、高額な費用がかかります、費用は各医院によって異なりますので、主治医とよくご相談下さい。
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質問  インプラントの治療には時間がかかると聞きましたが、最近、その日に噛めるインプラントという広告も見かけます。治療期間について本当のことを教えて下さい。
答え  インプラントの治療は、まず、手術でインプラントを顎の骨の中に埋めて骨としっかり結合させる必要があります。この骨とインプラントが結合するために必要な時間は、それぞれの患者様で条件が違うため、一律ではありません。たとえば、骨が少なくなってしまったところにインプラントを埋める場合、骨を移植したりして増やすことが行なわれますが、このような複雑な治療を行うと、当然ながらインプラント周囲の骨が治るまでに数か月かかることもあります。あるいは、最初は骨を増やす手術だけをして、それが治ってからもう一度手術をしてインプラントを埋める場合もあります。したがって、インプラントに歯が取付けられて噛めるようになるまで数か月から一年以上かかることもあるわけです。
 一方、非常にあごの骨がしっかりしていて噛み合わせなどにも問題がない場合には、インプラントを非常に安定した状態で埋め込むことができます。このような場合、最近では骨とインプラントがしっかり結合することを妨げないように注意しながら、その日か翌日に仮歯をインプラントに取付ける治療方法も試みられつつあります。あなたが見た広告は、このような治療法を指しているものと推測されます。
 これでお分かりのように、一概にインプラントの治療期間は何週間とか何か月とか決まっているわけではなく、治療法にも様々なものがあり、患者様個々によって大きく条件が異なるため、簡単にはお答えができないのです。
 歯科医師が患者様に説明する治療期間にはそれ相当の理由があるため、短いから良いとか、長いからダメという考えは成り立ちません。担当医に、あなたの求めているインプラント補綴(ほてつ)治療はどれぐらいの治療期間が必要か、しっかりとお尋ねになって納得された上で治療を開始されることをお勧めいたします。
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質問  インプラントはどれくらいもつのですか?
答え 一概には言えませんが、世界の標準では5年間で85%がうまくいくことを成功としています。現在10年あたりが目指す期間です。ただし、この期間は患者さんの口の管理(衛生状態が良ければ長持ちしますが、逆にお手入れが悪いと寿命が短くなる場合があります)と主治医の定期管理に依ります。
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質問  入れ歯は何年ぐらいで作り変えたほうが良いですか?
答え 歯の残り具合、顎の骨の状態、吸収程度、全身状態などでさまざまです。
入れ歯がピッタリしなくなった、噛みづらくなった、入れ歯の下の粘膜が広い範囲で赤くなって治らないなど日常的に不具合を感じたら早めに歯科受診をし、相談されることをお勧めします。
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質問  入れ歯安定剤を使っても良いのですか.
答え 一般に,入れ歯安定剤は「入れ歯がガタつくようになった」というときに使われるようですが,入れ歯が合わなくなったら,自分で勝手に判断して安定剤を使うのでなく,まず歯科医の診察を受け,安定剤が必要となれば,歯科医の正しい指示に従って適切に使用することが大切です.

入れ歯が合っていないという理由で,入れ歯安定剤を使用することは誤りです.使っている入れ歯をぴったり合うように修正してもらったにもかかわらず,あるいは入れ歯を新しく作り替えたのに,まだ動いて具合が悪いという場合に,初めて入れ歯安定剤の使用を考えることになります.
入れ歯安定剤には,"粉末やクリーム状で,入れ歯と歯ぐきに粘着することで入れ歯を安定させるもの"と,"クッションのあるゴム状で,入れ歯と歯ぐきの間にできた隙間を埋めて入れ歯を安定させるもの"とがあります.

たとえばガタつきのある合わない入れ歯で,入れ歯と歯ぐきととの間がどんなに"離れて"いても,クッションタイプのものを使えば,パン生地のような材質でその"隙間"をふさぐことができます.確かに,"隙間"が無くなるのでガタつきは少なくなります.
しかし,「クッション剤で裏打ちするとき,かみ合わせの高さ,かみ合わせの関係を,自分自身で正しく仕上げることは,大変難しい」ことです.
⇒ 入れ歯が傾いて,噛み合わせを狂わせてしまいます.
⇒ 噛み合わせが狂ったままで噛めば,歯ぐきやそれを支える骨が大きなダメージを受けることになります.
⇒ 合っていない入れ歯を,安定剤で使い続けることを可能にしたことが,逆に口の中の状態を悪化させてしまうことになります.

 歯ぐきが平らだったり,唾液が少なかったり,噛み合わせが不安定であったり,舌の筋肉のコントロールができない人(無意識に舌が動くなど)では,ぴったり合っていても入れ歯は動きます.
こんな場合は,入れ歯安定剤が入れ歯治療の補助材として役に立ち,お勧めできるのは,粉末,クリーム状の安定剤です.このタイプは,薄くのびるので,入れ歯も正しい位置に戻り,噛み合わせを狂わせることもありません.しかし,歯ぐきとの粘着力が大きい材料なので,歯科医でも取り除くのに大変苦労します.完全に剥がせないままその上から繰り返し使用すると,汚れが安定剤の中に挟み込まれて,口の中が不潔になってしまいます.ていねいにティッシュペーパーなどで拭い取る必要があります.また,一般に,多く盛りすぎる傾向が見られますが,量が多すぎると口の中が粘つき不快を感じるようになります.これらのことに十分注意を払いながら使用して下さい.何よりも定期的な歯科受診が大切であることはいうまでもありません.
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質問  咀嚼能力検査法を受けられる歯科医院は?

私は不正咬合ということで,数年咬合治療をうけている者です.
主な症状としては,歯がかみ合わないので巧く物が噛めないこと,それに伴い歯の痛みや動揺,歯茎の痛み,掻痒感などです.
今回お伺いしたいのは,こちらの補綴関係のサイトでよくお見かけするのですが"咀嚼能力検査法"についてです.
この検査を是非受けてみたいのですが,どこで受けられるのか教えていただけないでしょうか.現在,○○歯科大で治療を受けているのですが,こちらの大学では,研究にしか行っていないので無理ということでした.
現在診ていただいている先生との信頼関係は問題なく,検査を受けたいのであれば,自分で見つけて受けてみてよいと言われております.私自身の感覚で噛めないという場合もあるので,一度客観的に,咀嚼のレベルがどのくらいなのか,知りたいと思っております.大変お手数ではありますが,"咀嚼能力検査法"を受けられる歯科医院を教えてください.  (東京 Y.H.さんより)
答え "咀嚼能力検査法"には,[1]定められた数十種の食品を,自分自身が食べることができるか否かをアンケートや質問方式で主観的に回答し,定められた計算式から算出された値を平均値と比較する方法と,[2] 実際の食品や擬似食品,さらには評価するための機器を使用して,どの適度咀嚼できているか,正常な咀嚼が行われているか,などを測定する客観的な方法があります.
[1]は,総入れ歯など,比較的大きな義歯を使用している患者さんに適応されます.[2] は,入れ歯を使用している方だけでなく,自分の歯がすべて揃っておられる患者さんにも適用できます.しかし,アンケートや質問に用いる食品の種類や,実際に咀嚼試験に用いる食品や擬似食品,さらには測定に使用する機器などは各研究機関で様々で,まだ統一された「臨床で簡単に行える評価法」がないのが現状です.このために,『共通の物差し』で咀嚼能力を簡単に測るための研究がすすんでいます.T大学病院の「研究にしか行っていない」という回答は,このような理由からなされたものと思われます.また食べられる口腔環境がどんな具合であるかを間接的に知るために,噛む力や,噛むバランスを測定する方法もあります.なお,咀嚼能力は年齢,性別,骨格,歯並び,歯の数,噛み合わせや使用している義歯の状態,全身状態などによって,かなり大きな差があります.
咀嚼のレベルがどの程度であるかを知りたいということですので,他の大学病院の「補綴科」で再度ご相談されてはいかがでしょうか.
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質問  アタッチメントを使用した部分入れ歯,歯の移植は保険適応ですか?

 現在右下は奥歯2本とその奥にうまった「親不知」があり,左下は奥歯1本と顔出ししてる「親不知」があります.その左右奥歯3本が歯槽膿漏のためぐらぐらしているため,抜いて「部分入れ歯」をと主治医に言われています。まだ年齢が37歳でこういう状態なもので大変不安を抱えています。
自分でインターネットなどいろいろ見ていますが,興味があったのがアタッチメントデンチャーという部分入れ歯です。奥歯二本もぐらつきなく固定でき,審美性も高いとのことでした。それ以上のことは情報は得られませんでした.これは保険適用できるのでしょうか.磁石を使うタイプではなかったように思います。ロックするような形だったと・・.
また親不知があるのですが,それを利用した「歯根移植」はできないのでしょうか.
またこれも保険適用外でしょうか.
どうも部分入れ歯の不具合の情報ばかりが目についてしまい不安になってます。
よろしくおねがいします.(S.Mさんより)
答え  ご質問の内容は,ぐらついている左右奥歯と親不知を抜いた後,取り外しの部分入れ歯を入れることに不安を感じておられ,
[1]『奥歯を抜いた後,保険の範囲でアタッチメン装置を使用した部分入れ歯の装着が可能であるのか』ということ,[2]『奥歯を抜いたところに親不知を移植できないのか』ということであると思います.
[1]について: アタッチメントを利用しての「ロックするような形」の義歯は,抜いてしまった奥歯の前にある歯に対して,特殊な装置を組み込んだ金属冠を被せて,これを固定源として使用します。したがって,入れ歯を支えるためのバネがないために『審美性に優れる』ことや,通常の入れ歯に比べて『がたつきが少ない』ことなどから,快適に部分入れ歯を使用することができます.しかしアタッチメント装置を用いた場合は,保険外診療となります.
[2]について: 親不知や埋伏歯を移植することは,原則として,保険適応診療とされております.しかし,移植する歯や,移植される部位の状態などにより,困難なこともあります.歯の移植は高度な外科手術を伴うことであり,その予後などを含めて,主治医とよくご相談されることをお勧めします.
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質問  長年"掌蹠膿庖症(しょうせきのうほうしょう)"で悩んでいます.

 12年前から悩んでいました手と足の,"しょうせきのうほうしょう"が金属アレルギーかもしれないという事を最近知りました,もしかしたら治るかもしれない,一筋の希望を持ちました,病院のアレルギー科でテストをしたところ腕の内側に少し傷を付けて,そこに液体をたらして10箇所くらい様子を見ましたが,先生は金属はどれも合わないからと歯の交換を薦められました,差し歯5本,インプラント1本です,差し歯の歯茎と歯の間からは少し黒い金属がのぞいています,近所の歯医者さんに相談したところ,総セラミックに交換すれば治るのではないかな?  交換してみましょうとのことです,歯根に入っている金属は交換しなくても大丈夫でしょうとの先生の判断なのですが,それがとても気になります,歯根の金属は交換しなくてもアレルギーは治るのでしょうか?骨の中に入っている金属は問題ないのでしょうか?歯の治療中から水泡が出ていたので粗悪なものが使われているのではと,目に見えない恐怖を感じています,どうぞ良いアドバイスをお願い致します.
栃木県 M.Y(女性41歳)
答え  長い間悩まされている"掌蹠膿庖症(しょうせきのうほうしょう)"が歯科治療によって治るかもしれない,この可能性に希望を持たれている方からのご質問です.
掌蹠膿庖症でかつ歯科用金属アレルギーの疑いがあると診断された患者様の約10%は,口の中にある金属を取り除くことによってその症状が治癒または改善したという報告があります.30名弱の少数集団から得られた結果ですので,10%という数字は目安と考えていただきたいのですが,口の中から金属を取り除きセラミックに交換することで,お問い合わせの掌蹠膿庖症が治る可能性はあります.
しかし,ご質問の文面では把握できなかったいくつかの事項もあります.例えば,病院のアレルギー科で受けた検査はご質問に記載された方法だけだったのでしょうか.心配されている黒くみえる金属はセラミックに交換する治療の過程で取り除かれる可能性がありますが,このことは未確認と思われます.また,金属が入っている歯根の状態やその取り扱いなども,まだ話し合われていないようです.心配しすぎないで,まず気になっていることを遠慮無く主治医に相談されることをお薦めします.
なお,患者様がどの金属に対して過敏なのか,インプラントを含めていま口の中にある金属は何かなどを具体的に知るためには,特殊な機器や方法が必要な場合があります.歯科(材料・金属)アレルギー外来のある大学附属病院等にはこのような検査に対応できる施設がありますので,このことについてもお近くの歯科医師(主治医)からアドバイスを受けられるようお薦めします.
歯科用金属アレルギーの疑いで歯科治療を受けた患者様の治癒率(日常生活に特段の支障を自覚しなくなったとする軽快例を含む)は,約30%から50数%と報告されています.私たちヒトは金属との接触を完全に絶って日常生活を営むことはできません.金属アレルギーの原因となる金属は,生活環境からも生体に取り込まれているのです.これらのことを含め,日常生活で注意すべき事項などについて,皮膚科など関連診療科の先生ともよくご相談下さい.
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質問  強度と審美性をかねそなえたセラミッククラウンは何?

 一般のものですが,強度と審美性をかねそろえたメタルフリーのセラミッククラウンは何ですか?いろいろ種類があってわかりません質問の回答お願いいたします。 (nobu)
答え  セラミックは陶材とも呼ばれ,日常使用されているお皿などに用いられている材料です.利点には透明感があり,自然な色調が得られることや,経年的な色の変化がほとんどないことが挙げられます.しかし,セラミックは硬い反面,脆さが欠点とされ,これまでは金属で裏打ちされた陶材焼付鋳造冠というものが主流でした.近年,オールセラミッククラウンと呼ばれる,メタルフリーのセラミッククラウンが開発されました.これは強度に優れ,金属の陰の影響を受けないため天然の歯に近い色調を再現できるクラウンです.また,金属を使用しないため,金属に対するアレルギーを持っている方にも有効です.そして問題の強度は種類によって違いはありますが,通常の生活に支障がないように作られております.このように審美的にも強度的にも優れたクラウンですが,症例によっては適応できない場合もあります.またこのセラミックを使用したクラウンは保険外診療となりますので,希望する際には金額も含めて,かかりつけの先生にご相談下さい.
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質問 歯周病で前歯を1本抜きました.治療方法は?

「歯周病で前歯1本抜きました.仮歯の状態です.入れ歯かブリツジにするかどちらがいいでしようか.他の歯ぐきもあまり健康な方ではないです.
インプラントは歯周病でもできるのですか.(H. Y.)
答え  前歯を1本抜いた場合の治療方法としては質問の中にあるようにブリッジ,入れ歯,インプラントの3つの方法が考えられます.いずれの治療を行うにもまず歯周病をコントロールすることが一番大切です.歯周病のまま前述の治療を行ってもいずれの治療もうまくいかないことが予想されます.
また全身状態や顎の骨の状態でインプラントなどの手術が適応でないこともあります.
まず仮歯の状態できちんと歯周組織を健康な状態に回復した上で主治医の先生と最善の方法を相談することをお奨めします.
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質問  左右別々に義歯を入れることはできないの?
新材料の保険外適用義歯をするかどうか迷っています.


1ヶ月前に保険適用で部分義歯を入れました.左上奥歯2本,右上奥歯4本と犬歯,計7本を連結しています.重苦しい感じがして,特に右の噛み合せがうまくいきません.また右前歯に金具がかかっているのが見えるのも気になります.
それで,義歯について2点質問させていただきます.
1) 連結しないで左右別々に義歯を入れることはできないのでしょうか?かかりつけ医師によりますと,「止め具が2箇所必要だから,左右とも奥歯がない場 合は別々には入れられない」とのことですが・・・
2) 医師から「保険外適用義歯でバルプラストというのがある」と聞きました.パソコン検索でもすこし調べてみたのですが,日本ではどれくらい普及しているのでしょうか?また,費用は別として問題点(欠点)は何かあるでしょうか? 作り変えが容易にできない事などを考えると,見合わせたほうがいいでようか?
(千葉県 55歳女性)
答え 1)について
お口の中の全体的な状態や,残っている歯の詳細な位置関係が不明ですので,適切なお答えをするためには少し無理あるようです。そのため,かかりつけ医のコメントから推察して回答させて頂きます.
義歯にはいくつかの重要な機能があります.お尋ねの中にもありますように,見た目(審美)も重要な要素です.しかしながら,食べる機能も非常に重要なものです.食べるときに,義歯が有効に働くためには,義歯が口の中にしっかりと安定している必要があります.そのためには,止め具が重要な働きをします.止め具が少なければ,義歯が動いてしまい,機能が発揮できません.あなたの現在のお口の中を推察しますと,連結しないで左右別々に義歯を入れますと,義歯が口の中に安定した形で機能しないことが予想されます.右前歯の金具については,かかりつけ医とよく相談してみてください.条件によっては,目立たないようにできることもあります.

2)について
お尋ねの義歯の普及率については,残念ながら現在のところデータは見あたらないようです.様々なお口の中の条件全てを解決して使えるような義歯,義歯材料などはありません.それぞれに適した使用方法,使用条件などがあります.患者様の要求の優先度を考慮しながら,それらを組み合わせて使用しています.お尋ねの義歯を選択するにあたり,ご自分の口の中が今回の新材料の義歯に適した状態であるのか,ご自身は何を最優先するかなどをかかりつけの医師とよく相談されてご判断されることをお勧めします.
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質問  装着2週間の硬質レジン冠がグミキャンディーを食べている時に砕けた!

 硬質レジンで、犬歯を作って入れたのですが、2週間ぐらいしてからグミキャンディーを食べていると、突然砕けたのです。こんな事って有りですか?又どうしたらよいのでしょうか。(H16.4.26.hayaxxx
答え  まず,グミキャンディーを食べているときに突然砕けた原因はとのことですが・・・・
それ以前に何か硬いものを咬んだ時や,何らかの習癖(歯ぎしり,食いしばり他)によってすでに一部ヒビがはいっていたものが,グミキャンディーを食べているときに砕けた可能性もありますので,原因について明確にはお答えできません.

 次に,どうすればよいのでしょうか? とのことですが・・・・・・・・
早急に,治療を受けた医療機関を受診し,ご相談されることをお勧め致します.

 治療方法として,考えられることは・・・・・・・・・
2週間前に犬歯入れられた冠が硬質レジンでできているとのことですが,以下のどちらかによって回答が異なります.
1. 冠全体が硬質レジン(プラスティックの種類)で作られた『硬質レジンジャケット冠』この場合,修理は不可能ではないですが,再度割れてしまう可能性が大きいと思われます.残念ですが,もう一度型取りを行い,再製する方法をお勧めします.
2. 金属の唇側面に硬質レジンを前装した『硬質レジン前装冠』この場合,前装のレジン部分の破折だと思われますので,その部分を修理することは可能です.しかし,審美的にまったく元の状態というわけにはいきません.除去して,もう一度型取りを行い,再製する方法もあります.

*修理もしくは再製に関する費用ですが,以下の3つの場合があります.

[1] 治療を保険診療で行い,診療を受けた医療機関が補管届出保険医療機関の場合(この場合,医療機関からその旨明記した案内書を受け取っているはずです) 装着してから2年以内であれば,無償です
[2] 治療を保険診療で行い,診療を受けた医療機関が補管届出保険医療機関でない場合修理もしくは再製に関する費用がかかります.
[3] 上記治療を保険外診療で行った場合修理もしくは再製に関する費用がかかります..
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質問  下前歯にグラグラの乳歯がある36歳.治療法は?

現在36歳になりますが,下の前歯の一本が乳歯のまま残っています.最近ぐらぐら になりつつあります.歯根は永久歯のとはことなり乳歯のままとなっています.乳歯が抜けた場合,さし歯等の治療が良いのでしょうか?
もし抜けないようにした方がよければ,サポートをしたりした方が良いのでしょうか?いくつか選択肢があると思いますが,治療法について教えていただきたいと思います.
答え お口の中の詳しい状況がメールからだけからだとハッキリとは分かりませんがいくつかの治療法が挙げられます.
まず,一般的には歯が抜けた場合,歯の根(歯根)がありませんので,抜けた部分には,さし歯は出来ません.
[1]取り外し式の入れ歯(部分義歯)か,[2]抜けた歯の両隣の歯を削ってこれに冠を被せ,人工歯で作った抜けた歯の部分をつなぎ合わせて作る橋渡しタイプで固定するブリッジ,あるいは[3]人工の歯根を骨に埋めて冠を被せるインプラントタイプの何れかになります.
[2]のブリッジタイプには歯の条件によっては,歯質をあまり削らないですむ接着ブリッジという方法も選択出来る場合があります.
また,抜けない様にするための固定の方法も色々あります.歯根の吸収状態や両隣の歯の健康状態,年齢,歯周病の有無等,状況により治療法も変わります.しかしぐらついてきたのが乳歯と言うことであり,やがては脱落する時期がきますが,そのまま放置すると隣の歯の位置がずれてくることも考えられますので,かかりつけ歯科医によくご相談のうえ,治療方法を決定されて下さい.
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質問 左上奥歯2本と右上奥歯が1本ない場合の保険外治療法で迷っています.

 左上奥歯2本と右上奥歯1本がありません.かかりつけの医師からは部分入れ歯を入れるように勧められています.バネでかけるとかけた歯が悪くなることを聞いていましたので,「別の方法を」と言うと,コーロス・クローネ(?),とOH(?)(Oリングではめ込むようです)を組み合わせて,金属床で右と左を接続するのがよいだろうと言われました.インプラントは顔の骨のないところになるので,骨の移植をしないと無理と言っています.全部自由診療です.この方法でよいのかどうかお聴きしたい.
答え  文面だけでは正確なお口の中の状態は把握できませんが,左上は大臼歯が2本なくて奥に支える歯がない,また右上は第一大臼歯がなくて一番奥の第2大臼歯があるという状態と推測してお話を進めます.

 保険診療の範囲で部分入れ歯を作ろうとすれば,バネ(鉤)の種類や人工の歯の種類,使える材料(金属やプラスチック)に制限があります.かかりつけ医に説明を受けたコーヌス・クローネやO(オー)リングなどの特殊な装置はいずれも保険外診療で用いられます.インプラント治療ももちろん保険外診療です.
コーヌス・クローネ装置を用いた入れ歯は,保険のバネで支える入れ歯に比べ,より安定感や維持力がありますが,支えとなる小臼歯を削り,冠を被せなければなりません.Oリング(アタッチメント)装置を用いる場合は歯の神経をとり,歯の根に装置を組み込み入れ歯の支えとするものです.この両装置を金属床で左右つないだ保険外診療で作製する部分入れ歯の説明を受けられたと考えます.
歯を削る必要があること,神経をとる必要があること,自身で口腔管理をしっかり行うこと,定期検診を欠かさないことが前提となります.
また,この方のインプラント治療は取り外さない差し歯タイプになるでしょうが,手術をし,治癒期間がかかります.とくに精密検査をして骨の高さや幅が足りない場合,インプラントを埋め込む前に骨移植が必要になります.手術を伴う治療のため,全身疾患などによってはインプラント治療を受けられない場合もあります.同ホームページの「補綴歯科って何?ーインプラントとは?ー」や「補綴歯科なんでも質問箱-インプラント編-」をご参照下さい.
いずれの治療法にも一長一短がありますので,かかりつけ医とよくご相談の上,治療法を選択してください.
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質問  舌癌摘出後の舌接触補助床に関しての問い合わせ

 長崎県島原市の○○病院に勤務しております言語聴覚士の△△と申します. 
当院で舌接触補助床装置の適用可能性が考えられる患者様(舌癌摘出後)がおられますが,専門機関が場所的に遠いことと予後の点から,お勧めするかどうか迷っています.ある程度具体的な情報を得られれば患者様にも提案しやすいため,以下の点について可能であればお教え下さい.
1.金額 
2.保険適用可能か 
3.どのくらいの期間で出来上がるのか
答え  舌接触補助床(palatal augmentation prosthesis: PAP)は,舌の運動障害や欠損により,舌と口蓋との十分な接触が得られないために生じる発音障害や嚥下障害に対し,上顎に口蓋部を肥厚させた義歯を装着して舌の接触を補助し,構音機能や嚥下機能を改善する装置です.
(同ホームページの一般の方「顎義歯」のコーナをご参照ください.)

1.と2.舌癌摘出後の発音障害に対して用いる場合,保険診療が適応される場合があります.
3.治療期間
口の中の印象(型取り)をして,装置を口腔内に支えるバネの部分を作り,舌の接触状態を印象(型取り)して作製します.最低でも3,4回程度の受診(約1か月?2ヶ月)が必要で,なおかつ,その後の調整も重要です.
(入れ歯と併用型の場合,料金や診療回数などが若干異なってきます.)
詳しくは,受診予定の病院,診療所にお問い合わせ下さい.
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質問  留学先で前歯を抜歯した

 現在32歳男で英国に留学しており残り期間が6ヶ月あります。
先日、差し歯になっていた前歯が、だいぶぐらついていたために英国の歯医者に行きました。X線撮影の結果、根歯が割れていてこのまま放置すると化膿したりするので抜くしかないといわれました(と言ったのだと思います)。
いろいろ迷ったのですが、結局5日前に抜歯しました。
現在、部分入れ歯を入れています(予定外の部分入れ歯で、いかに自分が英語が理解できていなかったか再認識しました)。現在非常に物が食べにくい状況です。
次のステップをどうするのか、尋ねられたのですが英語では詳細が理解に及びません。歯科医の話では、インプラントかブリッジのどちらかが選択できるが、インプラントでは残り期間が6ヶ月しかないため治療できないとのことで、MERYLAND BRIDGEが良いのではないかとのことでした。6~8週間後に行うのが良いだろうといっていたと思います。

質問は以下の点になります。

1.言葉もわからないので、6ヵ月後に帰国した後日本で治療するのは大丈夫か?
(歯を抜いてそのままにしておくと骨がずれるようなことを、どこかのホームページで見たため心配です。)
できれば日本で治療したいのですが、抜けたままで悪影響があるのでしたらこちらで治療するしかないと考えています。

2.ホームページを見てMERYLAND BRIDGEというのは日本語の「接着ブリッジ」というものかと判断したのですが、費用は15万円程度といわれました。この価格は日本の治療と比べて高いのでしょうか?
日本で保険適用ならば7割は、帰国後申請後に帰ってくるようですが、英語で歯の材質を聞かれてもまず理解できませんので適応外の一般的なものだとしたら日本でどのくらいの費用が発生するのか知りたく存じます
答え 1.今回の場合ですと、このまま6ヶ月間放置しておいても骨がずれるようなことは考えられません。暫間的な治療として、部分入れ歯を装着しておられるとのことですから、隣の歯が傾斜してくることもないと思います。また、最終的な治療(ブリッジでもインプラント)は、抜いた後の骨の変化が落ち着いてから(2~3か月ほどしてから)着手した方がよいと思われます。ですから、現状で機能的や審美的に我慢できるのであれば、日本に帰国されてからの治療でも問題はありません。

2.ご推察の通り、MERYLAND BRIDGEは1981年にアメリカ、メリーランド州メリーランド大学のThompson.V.Pによって発表された接着ブリッジです。日本でもこの治療方法は行われておりますが、金属の種類や抜いた歯の部分を白くする方法などにより、保険適応の場合と適応外の場合とあります。
今回の治療内容の場合、保険治療で3割負担と仮定しますと、約2万円弱になります。保険外診療の場合は、内容によっても歯科医院によっても変わりますので、一概には申し上げられませんが、10万円から30万円ぐらいと思われます。
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質問  専門医のいる歯科医院を教えて
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初めまして.東京在住の主婦です.

2年前にやり直したブリッジ,クラウンの噛み合わせが合わず,歯根膜,及び,上顎洞が咀嚼すると痛くなります.
ブリッジは左上顎456,クラウンは左上顎7と左下顎7にあります.
痛いので,右でしか咀嚼しないようにしていたところ,右の顎にも負担がかかるのか,クリック音がするようになっています.しかし,右顎は痛みなどはありません.
左は「上顎洞炎の疑い」という事で,耳鼻科でCTを撮りましたが,異常ありませんでした.

補綴をやり直したいのですが,専門医のいる歯科医院を教えて頂きたいのですが?
宜しくお願い致します.(マキ)
答え  左側の補綴装置に起因する咬合障害のご質問です.右の関節に音(クリッキング)があるということですので顎関節症の症状も認められるようです.2年前に補綴物をやり直された理由や,現在の症状がそれ以前にもあったのか,そうでないのかなどの情報がないため正確な診断はできないという前提でお答えします.
ブリッジやクラウンを支える支台歯の状態がハッキリしませんので,補綴装置のやり直しだけで症状が改善するとは断言できません.根管治療と呼ばれる,歯の内部の処置が必要となる場合もあります.したがって,咬合(噛み合わせ)状態ばかりでなく,顎関節や歯の根の状態を診査・診断して的確な処置を行う必要性があります.まずは,かかりつけ歯科医に相談するのが良いかと思います.
なお,日本補綴歯科学会では,専門医制度を実施しております.資格を有する歯科医師名に関しましては当ホームページでも地区別に公表しております.しかし個別のご紹介はいたしておりませんのでご了承ください.
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質問  前歯が変色した.陶器の歯をすすめられたけど・・・

質問ですが、20年前に前歯1本が欠けて今は欠けた部分を埋めていて神経はありませんが自分の歯です。神経がないため色が変わり始めていて何とかしたいと考えています。

歯科医から保険外の陶器のかぶせは一生もつから、と進められました。口内の環境が変わることを考えるとあまり気が進みません。十分の一の価格でプラステッィクの説明も受けましたが寿命は5~10年だと聞ききました。

ご意見をお聞かせください。
よろしくお願いします。
答え 神経を取った歯は時間がたつと変色することがよくありますがその治療法としては大きく分けて2通りあると思います。
1つは変色した歯を漂白する方法、もう1つは陶器(セラミック)やプラスチックなどの冠をかぶせる方法です。
漂白は自分の歯をそのまま使いますので、気にされている口腔内の環境変化については最小限に抑えられると思いますが、長年の使用により色の後戻りなどもみられます。
冠をかぶせることによって修復する方法には、表から見える面だけを修復するラミネートベニアや全体を被覆する陶材冠、陶材焼付け金属冠、レジン前装金属冠、レジンジャケット冠などがあります。白い部分が陶器のものは変色が少なく、プラスチック(レジン)のものは長年の使用で変色することがあります。
保険適用の有無など治療費がずいぶん違いますので一概にどれが良いとは言えませんが、それぞれについては本ホームページでも解説していますので参照し、主治医とご相談ください。

参照ページ → ホワイトニング、さし歯、保険と自費(私費)ではどこが違うのですか(さし歯編)?
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質問  前歯の治療法について質問

不安なことがありどうか質問させてください。

8年前に入れた前歯4本の差し歯の内、2本がここ数年少しずつ前に出っ張ってきて、意識せずに笑うと口から歯が見える状態です。原因は下の歯の一つが子供時代からかなり前に飛び出て生えており、歯並びが悪く、噛み合わせた時に、ちょうど出ている下の歯と出っ張ってきた前歯が合致するためかと思われます。これは過去今までにかかった歯科医の先生方も同じ見解でした。前置きが長くなりましたが本題です。
最近寄った歯科で、初めてかかった若い先生(20代後半~30歳前半)で親身に話しを聞いてくれるたのをきっかけに相談したところ、差し歯をつけかえるなら、また数年後前に出てくる可能性があると聞きました。これは私自身もそうだろうと思っています。その下の歯を戻すような矯正は容易ではないようですし、お金もかかります。下の歯を抜くか、今までにも何回か考えましたが、今回若い先生から出た提案は今までにない初耳のものです。見た目を気にするなら、人工の歯を作って、裏側から接着剤で貼り付ける方法があり半永久的だと自信ありげにおっしゃいます。『見た目ですぐにわかってしまったり、するんじゃないですか?』と聞いても、はっきり『わからないようにします!』と言うのです。本当にそんな方法があるのでしょうか?先生はとてもやさしく、今回虫歯があり、治療してくれましたが、問題ないようですし、話しだけしていると信頼できるような雰囲気ですが、まだ2回しか治療してもらってない先生に、前歯4本・下の歯と、全部任せて大丈夫なのか不安です。でも現在他にかかりつけの歯科医はいません。先生は差し歯の配列が悪く歯茎の骨を削ることで、前歯の配列もきれいになり、そんな大変なことではなく、ごく一般的な手術なので心配しなくて大丈夫とはっきりおっしゃいます。骨を削るというのも初耳ですし、そんな簡単な手術なんでしょうか。また、下の歯のそんな方法はどうなんでしょうか?それとも、あまり技術が関係ないやり方で何も心配する案件ではないんでしょうか。どうかお教えください。
答え 前歯の補綴治療に関するご質問かと思います.メールからは大変苦悩されている様子が伝わってきます.ただ,メールからだけですと実際にお口の中の状態が把握できません.また,X線写真や上下の歯型の模型が無いと,歯の形,根の状態,噛み合わせがわかりませんのでハッキリとした回答は申し上げられません.特に,ご質問の"人工の歯を作って,裏側から接着剤で貼り付ける方法"というのがどの歯に行う処置なのか(メールからだと上顎前歯4本と下顎前歯1本?),"歯茎の骨を削ることで,前歯の配列もきれいになり・・・"というのがどんな手術なのかハッキリしませんので,大変申し訳ございませんが何ともいえません.もし,治療内容を確認されたいのであれば,セカンドオピニオンとして歯学部・歯科大学の附属病院を一度受診されてみるのも良いかと思われます.
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